はじめに
仕入先やメーカーから届いたPDFや紙の見積書を見ながら、品名・数量・単価をひとつずつ確認して自社フォーマットに打ち込み直す――。特に複数の企業から見積を取りまとめてお客様に提出する商社にとって、この作業は避けて通れない業務のひとつです。
見積書OCRという言葉を聞いたことはあっても、「実際どのくらいの精度で読み取れるのか」「ITに詳しくない担当者でも運用できるのか」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。今回は、工作機械商社である株式会社大成に入社して1か月目の筆者が、すでに完成していたBizFollowの「見積作成プラン」を、使い方動画と取扱説明書を見ながら一人で実際に使ってみました。
見積業務に慣れていない人でも迷わず使えるのか、実際の見積書をどの程度正確に読み取れるのか、そして使ってみてどこに便利さや注意点を感じたのか、という視点で率直にまとめました。
導入のきっかけ
株式会社大成は工作機械の商社です。商社という業態には、メーカーやさまざまな企業から見積を取りまとめてお客様に提出するという特徴があります。
以前は、届いたPDFや紙の見積書を見ながらコピー&ペーストや手入力で自社見積を作成していました。当然ながら手間がかかるうえに人的ミスも起きやすく、残業時間の増加も問題になっていたそうです。
当時も、見積書の文字を読み取るOCRサービス自体はありました。ただ、読み取った内容を自社の見積書フォーマットへ転記するところまでは対応しておらず、その後の作業は結局手作業になるものが多かったそうです。
また、自社の帳票や業務フローに合わせてカスタマイズしようとすると費用が高くなり、AI-OCRサービスそのものも今ほど手軽に導入できる価格帯ではありませんでした。
そこで、「見積書を読み取るだけでなく、そのまま自社見積の作成までつなげられないか」と考え、自社で開発したのがBizFollowの「見積作成プラン」の始まりです。
見積書の転記作業でお悩みの方は、こちらの記事も参考にしてください。
見積書 OCR で転記ミスを防ぐ|設備商社・建築業の実務担当者向け OCR 選び方と導入手順
申し込み〜初期設定の流れ
私自身が、初めて使ったときはBizFollowから届いたメールからアカウントにログインし、パソコンのデスクトップにショートカットを置くだけで、すぐに使い始められる状態でした。
今回、新しく導入する企業の初期設定の様子も見せてもらいましたが、BizFollowはクラウド型のサービスのため、利用者側が準備することはとてもシンプルです。
- 利用するメンバーのメールアドレスと氏名(人数分)
- 最終的に仕上げたい見積書のフォーマット
この2点を送るだけで、初期設定はほぼ運営元が対応してくれます。申込書を提出してから、早ければ即日〜3日程度で利用を開始できるスピード感でした。
実際に見積書をアップロードしてみた
使い方は拍子抜けするほどシンプルです。読み込ませたい見積書のPDFを、BizFollow見積作成のブラウザ画面にアップロードするだけ。複数枚ある場合も、同じ工程を繰り返すだけなので迷うところがありません。

精度はどうだったか
- エクセルから作成されたPDF:整合性が非常に高い
- 紙をスキャンしたPDF:問題なく読み取れる
- 手書きのもの:文字認識は良いけれど必ず確認を
使ってみて感じたメリット
実際に取り込んだ明細を編集機能を使って編集してみたメリットは、想像していた以上に多くありました。
操作感がエクセルに近い
取り込んだ明細の編集も、感覚的に修正できます。文字の装飾や罫線の追加はもちろん、利益計算や定価から掛け率を引く計算機能まで搭載されています。
見積作成時点の考え方を残せるメモ機能
完成したPDFには表示されないものの、どういう計算方法で金額を出したかを記録しておける列を追加させたり、メモ機能があるのも便利なポイントです。
柔軟な小計・値引き設定
明細の途中で小計を出しつつ、全体の計算には影響させない設定も可能。最終的に割引した金額で決める「出精値引き」の機能も使いやすく設計されています。
建築向けフォーマットでは総括表も自動作成
プランの中には建築向けのフォーマットもあり、そちらを選ぶと表紙、総括表まで自動で作成してくれます。
枝番管理・複製でタイパ良く
見積書は何度も出し直したり、複数パターン作成したりすることが多いものですが、枝番管理ができるうえ、保存済みの見積は他の営業担当者のものでも複製が可能です。
明細内のキーワード検索
管理画面からは明細内の1単語まで検索対象になるため、「あの品番を使った工事の見積」といったあいまいな探し方でも過去の案件にたどり着けます。
仕上がった見積書の美しさ
複数の見積を集約するとき、仕切り価格(卸値のようなもの)で書いてある企業もあれば定価で書かれている見積から総額で値引きしてあるもの。さらにはカタカナや英数字が半角だったり全角だったり、そんなばらつきも自分で整えられる機能も付いています。Excelで作ってフォーマットが崩れたりという失敗もありません。誰が作成しても、どこのフォーマットにもゆらぎやばらつきがなく美しく社印が押された見積書は、まるで企業の名刺のように美しいです。

気になった点
良いことばかりではなく、正直に気になった点も書いておきます。
さまざまなフォーマットの見積書を読み込ませていると、規則正しく並んでいない、罫線のない自由形式の見積書はやや苦手そうだと感じる場面がありました。5行ほど行がずれて読み込まれてしまったこともあります。
もうひとつ興味深いのが、AI-OCRが「賢すぎる」がゆえの解釈違いです。時々、本来は英数字が短い型番であるはずの情報を文字が短くて品名の先頭に書かれているゆえに項番の欄に入れてきたり、同じ品名が入っている本来はブランクだったところに過去の行から勝手に学習して同じ金額を入れてきたりすることがあります。良く言えば学習して柔軟に対応してくれているのですが、悪く言えば「AI-OCRが勝手に解釈しすぎている」とも言えるポイントです。上記は入社後にAI-OCRに学習させたようで、最近ではほとんど発生しなくなりました。
とはいえ、金額に関わる書類である以上、必ず最終的な人間による確認は欠かせません。
逆に感心させられたのは、見積作成者によって「品名の欄に型番も書き込む」という個人的なクセがある見積書でも、BizFollowはその型番をきちんと型番の欄に振り分けて反映してくれたことです。作成者の細かなクセまで拾ってくれる精度の高さには驚かされました。
転記・修正作業の自動化については、こちらの記事でも工程別に解説しています。
見積書の転記・修正を自動化する方法|設備商社・建築業の担当者が今日から取り組める工程別ガイド
こんな会社におすすめ
- 月に20枚以上の見積を扱っている会社
- 商社、建築会社など、複数の仕入先から見積を集めてお客様に提出する業態の会社
10枚程度のPDFでも問題なく読み込めるため、まとまった枚数を一気に処理したいケースでも力を発揮します。月に20枚以上の見積を扱っている会社であれば、人件費と比較しても十分におつりがくる計算になるはずです。
もし私が「10枚の見積書をコピー&ペーストで一枚の見積書を作成して」と言われたら、正直つらい作業です。OCRに任せられる部分は任せて、人の手は最終確認に回す。そんな役割分担がこれからの見積業務のスタンダードになっていくのではないでしょうか。
まとめ
今回、BizFollowの見積作成プランを実際に使ってみて、想像以上にシンプルな操作感と高い読み取り精度を実感しました。特に、商社や建築会社のように複数の仕入先から見積を集めて自社見積を作成する業態にとっては、日々の負担を大きく減らせる見積書OCRツールだと感じています。
社内で一番時間を取られている業務から、少しずつAIに任せていく。DXへの対応が遅れれば、見積書の提出スピードで失注してしまう――そんな未来はすぐそこまで来ているように思います。まずは無料トライアルから、その効果を試してみてはいかがでしょうか。
