H7/g6って何?はめあい公差を図で分かりやすく解説

H7/g6って何?はめあい公差を図で分かりやすく解説
図面に出てくる「H7/g6」などの記号、最初は意味が分かりにくいですよね。本記事では初心者の方でも理解できるように、はめあい公差の基本から現場での活用まで、図解付きでわかりやすく説明します。
目次
はめあい公差とは何か?
軸を穴にはめ込んだり、キーをキー溝にはめ込んだりする等、軸と穴のはめあいの度合いを示したものを「はめあい公差」といいます。両者の間には互いにすきまがあり緩くはめ合わされるか、しめしろがあり硬く固定されるか、或いはその中間(すきま又は、しめしろ生じる場合ありか)、管理を確実にすることで使用部位の適切な動作や性能を確保できます。(Fig1)
「H7/g6」などの記号とは何か?
はめあい公差は、アルファベットと数字の組み合わせで表示します。(Fig2)
アルファベットは公差域の位置を示し、数字は等級(精度)を示します。
穴基準はアルファベットの大文字、軸基準はアルファベットの小文字で表記します。
Fig2では、φ30穴の精度がH7等級、φ30軸の精度がg6等級とのはめあいを示します。また、はめあい記号の寸法はJIS規格「JISB0401-2 穴や軸に対する許容差表」にて寸法公差を定めています。(Fig3)
3種類のはめあい公差
①すきまばめ(Clearance fit)
穴が常に軸より大きく、すきまがある状態でスムーズに入るはめあい はめあい例:H7/g6
②中間ばめ(Transition fit)
ぴったりか、少しきつい位のはめあい はめあい例:H7/js6
③しまりばめ(Interference fit)
軸が穴より大きく、圧入が必要なはめあい はめあい例:H7/p6
公差記号の読み方と意味
H7/g6などの記号ではH(大文字)は穴、g(小文字)は軸を表し、数字は公差範囲を示します。
Hは穴基準で、加工しやすくよく使われます。
具体的にどのような用途で、どのはめあいを選ぶか?
- 回転するシャフト・ピストン軸・ボルト止め板等、軸が穴の中でスムーズに動くような用途 → すきまばめ
- 位置決めピン・治具部品・手で抜き差しできる部品等、軸と穴の位置が正確に保持されるような用途 → 中間ばめ
- モータ出力軸へのギヤの圧入・ベアリングの組付・がっちり固定が必要な部品等、軸と穴が一体となり固定されるような用途 → しまりばめ
現場では、用途・組み立て方法・コストに応じて公差を選びます。
検査や測定での注意点
図面通りに加工しても、測定環境や組立時の温度変化で思わぬはめあいのズレが発生することもあります。
その為、はめあい公差は周囲の温度管理を徹底することや熱膨張による寸法変化も考慮する等
“余裕”と“現実的な管理”が必要です。
まとめ:まず覚えておきたいこと
- ・一般的には穴基準で選定し軸のはめあい(すきまばめ・しまりばめ)を調整
- ・H7は軸との適切なはめあいが得られ、組立・メンテナンス性が良く、標準規格に適合する穴の公差
- ・はめあいには3種類ある(すきまばめ・中間ばめ・しまりばめ)
- ・使い分けには理由がある → 機能・コスト・組立性を考慮
はめあい公差の基本がわかると、図面の理解が一気に深まります。
まずは、はめあい公差について初歩的なレベルから始めてみましょう。
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