ねじ切り加工とは?ねじの基礎知識と3つの加工方法を解説

  • 投稿日:2023年6月28日(水曜日)
ねじ切り加工とは?ねじの基礎知識と3つの加工方法を解説

この記事では、ねじ切り加工についてまとめました。

ねじの基本情報

まずは、ねじについての基本情報を解説します。

一口にねじと言っても、これには大きくおねじとめねじがあります。

  • おねじ:外周にねじが切られている
  • めねじ:内周にねじが切られている

一般的に、私たちが日ごろねじと呼んでいるものは、おねじです。

また、ねじには規格もあります。
JIS規格では大きく、メートルねじ・インチねじ・管用ねじと分類されており、さらに細かく分類されています。

ねじの種類
メートルねじ メートル並目ねじ
メートル網目ねじ(1998年に廃止されて並目ねじに統合される)
インチねじ ユニファイ並目ねじ
ユニファイ網目ねじ
ウィットねじ(1968年に廃止される)
管用ねじ 管用平行ねじ
管用テーパーねじ

それぞれねじ山の形状や角度などが異なりますが、国内ではメートルねじが最も使用されています。

また、ねじについて検討するうえでは、ピッチも重要な要素のひとつです。
これは、ねじ山の距離を指しており、先ほど触れたおねじとめねじでは、それぞれが同じピッチでなければなりません。
なお、このピッチはねじの呼び径という、大きさによって決まっています。

タップ・ダイスによるねじ切り加工

ねじ切り加工の方法にはいくつか種類があります。
ここでは、一般的であるタップとダイスによるねじ切り加工について解説します。

タップによるめねじ切り加工

タップはめねじを切るための工具です。

タップ

刃が付いた円柱形状をしています。
タップハンドルに取り付けて手動で使用されることに加え、マシニングセンタ・フライス盤・ボール盤などの工作機械に取り付けて使用されます。

加工方法は以下の通りです。

  • ①ねじの大きさに合わせて、ワークにドリルで下穴をあけます。
  • ②タップを下穴に差し込み、力を均一にかけて回転させます。ワークにタップの刃が食い込むことで、ねじ山を作ります。
  • ③必要な深さまでねじを切れたら、タップを取り外します。

ダイスによるおねじ切り加工

ダイスはおねじを切るための工具です。

ダイス

おねじがつぶれた際、修正をする目的でも使用されます。
タップ同様、ダイスハンドルを取り付けて使用します。

加工方法は以下の通りです。

  • ①ワークの外周をダイスに押し付けます。
  • ②力を均一にかけてダイスを回転させて、ねじ山を作ります。
  • ③必要な長さまでねじを切れたら、ダイスを取り外します。

旋盤によるねじ切り加工

次に旋盤によるねじ切り加工について解説します。

ねじ切り加工|おねじ編

旋盤でのねじ切り加工は、専用のバイトを使用します。
おねじを切る場合、使用するのはおねじ切りバイトです。

旋盤によるおねじ切り加工
※引用:モノタロウ

加工方法は以下の通りです。

  • ①ワークをチャックに取り付けます。
  • ②センターゲージを使用しながらおねじ切りバイトをホルダーに取り付けます。
  • ③切り込み量や送り速度などを設定します。
  • ④少しずつ切削します。
  • ⑤パス回数とともに切り込み量を小さくしていき仕上げます。

ねじ切り加工|めねじ編

めねじを切る場合は、めねじ切りバイトを使用します。

旋盤によるめねじ切り加工
※引用:モノタロウ

加工方法は以下の通りで、基本的にはおねじを切る場合と同じです。

  • ①ワークをチャックに取り付けます。
  • ②センターゲージを使用しながらめねじ切りバイトをホルダーに取り付けます。
  • ③切り込み量や送り速度などを設定します。
  • ④少しずつ切削します。
  • ⑤パス回数とともに切り込み量を小さくしていき仕上げます。

おねじを切る場合と違うのは、様子を見ることができないということです。
そのため、旋盤に備わっている自動送り機能を利用します。

なお、旋盤によるねじ切り加工はある程度自動で行えますが、それでも大量生産には向いていません。
大量生産となれば、NC旋盤を利用することになります。

転造によるねじ切り加工

最後に転造によるねじ切り加工について解説します。
これはダイスを備えた転造盤と呼ばれる工作機械を使用し、塑性変形を利用しておねじを作る方法です。

方法は大きく以下の3種類があります。

転造によるねじ切り加工の方法
平ダイス転造
(平ダイス転造盤)
2枚の板状のダイスを、ワークを挟みながら圧力をかけ、動かします。
これにより、ワークの表面にねじ山を作ります。
丸ダイス転造
(丸ダイス転造盤)
2つ(もしくは3つ)の円筒形状のダイスを、ワークを挟みながら圧力をかけ、動かします。
これにより、ワークの表面にねじ山を作ります。
プラネタリ転造
(ロータリー転造盤)
アーチ形状と円筒形状のダイスの間にワークを挟み、圧力をかけながら動かします。

この方法は、削るわけではないため、切りくずが発生しません。
また、精度も高い上、大量生産に向いた方法です。

ちなみに、めねじも転造によって作ることはできます。
ワークにあけた下穴に転造タップと呼ばれる工具を差し込み、ワークに圧力をかけるという方法です。
なお、下穴の精度がめねじの精度に直結します。

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この記事ではねじ切り加工について解説してきました。

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