【材料選定に役立つ】A5052の特徴と加工時のポイント・A5056との違いを解説

  • 投稿日:2024年2月5日(月曜日)
【材料選定に役立つ】A5052の特徴と加工時のポイント・A5056との違いを解説

A5052は、アルミニウム合金の中でも代表的な種類のひとつです。
切削加工がしやすく、比較的強度も高いことから、最も流通しています。
この記事では、そんなA5052の概要や特徴、よく混同されるA5056との違いについてまとめました。

A5052とは

A5052の化学成分と物理的性質をそれぞれまとめました。

化学成分

A5052の化学成分(単位%)
シリコン マンガン マグネシウム クロム 亜鉛 チタン
0.25以下 0.4以下 0.1以下 0.1以下 2.2~2.8 0.15~0.35 0.1以下 0.03以下

A5052は、アルミニウム合金の種類のひとつで、主にマグネシウムを添加したものです。
これにより、強度や耐食性、さらには溶接性に優れる特徴を持ちます。
そのため、アルミニウム合金の中でも汎用性の高い種類です。

物理的性質

A5052の物理的性質
融点 649℃
ブリネル硬さ 68HB
密度 2.68
ヤング率 68GPa
引張強さ 260N/mm²
耐力 215N/mm²
熱伝導率 137W/m・K
せん断強さ 145N/mm²
疲れ強さ 125N/mm²

A5052は、比較的強度が高いです。
しかし、とはいえ銅が添加されているジュラルミンなどと比較すると、A5052は強度は低くなります。
具体的には、引張強さを見ると、A5052が260N/mm²であるのに対し、ジュラルミンのA2017は375N/mm²、また超々ジュラルミンのA7075は570N/mm²となっています。
とはいえ、先ほど触れたように強度は中程度ですが、耐食性や溶接性に優れていることから、バランスが取れているアルミニウム合金です。

A5052の特徴

A5052の特徴を、強度と耐食性、溶接性の3点から解説します。

強度

A5052は、マグネシウムを添加していることから比較的強度が高いです。
これは、マグネシウムが固溶強化の役割を果たしているためです。
とはいえ、アルミニウム合金の中では中程度の強度となります。

しかし、アルミニウム合金の中では最も切削加工がしやすい特徴も持ち合わせています。
歪が出にくく、精度も出しやすいため、加工性に優れており、全体的にバランスが取れています。

ちなみに、板厚精度がよい特徴も持ちます。
そのため、板厚方向に公差がなければ、そのまま4面仕上げで使用することが可能です。

耐食性

もともとアルミニウムは、大気中において自然に酸化被膜を生成するため、耐食性が高いです。
A5052は、加えてそんなアルミニウムよりも耐食性に優れた、マグネシウムを添加しています。
そのため、アルミニウム合金すべてに共通することではありますが、より耐食性が高いことも特徴のひとつです。

なお、アルマイト処理によってさらに耐食性を高めることも可能です。
アルマイト処理は、酸化被膜を人工的に生成することです。
ちなみにA5052は、白アルマイトやカラーアルマイト、硬質アルマイトなど、あらゆる種類のアルマイト処理を行うことができる特徴も持ちます。

溶接性

もともとアルミニウム合金は、熱伝導率が高いなどの理由から、溶接が難しいとされています。
しかしA5052は、強度や耐食性と同じように、マグネシウムを添加していることから、溶接性が高くなっています。
とはいえ、他の溶接性の高い金属ほどではないため、注意が必要です。

A5052とA5056との違い

アルミニウム合金の中でも代表的な種類のA5052ですが、よくA5056と混同されます。
A5052とA5056の違いを解説します。

A5056は、A5052と非常に似ています。
A5056もA5052と同じように、マグネシウムを添加した、Al-Mg系のアルミニウム合金です。

しかし、このマグネシウムの含有量が、A5052よりA5056の方が多いです。

A5052とA5056のマグネシウムの含有量(単位%)
A5052 2.2~2.8
A5056 4.5~5.6

そのため、A5056の方が切削加工がしやすく、強度も高いです。
またA5056の方が、アルマイト処理の仕上がりが良い特徴も持ちます。
しかし一方で、マグネシウムの含有量が多いことから、溶接性についてはA5056よりA5052の方が優れています。

A5052とA5056の違いは上記の通りです。
なお、製作する製品の用途というよりは、どのような加工を用いるのかによって、A5052とA5056は使い分けられることが多いです。

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この記事ではアルミニウム合金の種類のひとつ、A5052について解説してきました。
ぜひ部品製作を依頼する際などに参考にしてみてください。

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