アルミニウム合金とは?特徴や種類・用途を解説

  • 投稿日:2024年1月8日(月曜日)
アルミニウム合金とは?特徴や種類・用途を解説

アルミニウム合金とは、アルミニウムに他の金属を添加して作られる合金のことです。
アルミニウム合金には、軽量で強度が高く、耐食性や加工性に優れた特徴があります。
また、アルミニウム合金にはさまざまな種類があり、用途に応じて最適なものを選ぶことができます。
しかし、アルミニウム合金にもデメリットがあります。
例えば、高温に弱い、溶接が難しい、疲労強度が低いなどです。

この記事では、そんなアルミニウム合金の特徴や種類、用途について詳しく解説します。

アルミニウム合金とは?

アルミニウム合金とは、アルミニウムに他の金属元素を添加して作られた合金のことです。
軽量で強度が高く、耐食性や導電性に優れているため、航空機や自動車、建築物などの様々な分野で広く利用されています。

アルミニウム合金に添加される金属元素には、銅、マグネシウム、シリコン、亜鉛、錫などがありますが、この種類や比率によって特徴は大きく変化します。

例えば、銅を添加すると硬度や強度が向上しますが、耐食性や加工性は低下します。
一方、マグネシウムを添加すると軽量化や耐食性が向上しますが、熱処理による強度向上は期待できない、といった具合です。

これらの種類や特徴は以降で解説します。

アルミニウム合金の特徴

すでに触れているように、アルミニウム合金には、軽量で強度が高く、耐食性や加工性に優れた特徴があります。
しかし、その他にも利点があり、また欠点もあるのです。

アルミニウム合金の利点

アルミニウム合金のメリットと言える特徴は、以下のようにまとめられます。
 

軽量であること

アルミニウム合金は、鉄や銅などの他の金属に比べて密度が低く、重量が軽いです。
これにより、軽量化に加え、運搬性を向上させることもできます。
 

強度が高いこと

アルミニウム合金は、添加する金属の種類や比率によって、強度や硬度を調整できます。
例えば、マグネシウムやシリコンを添加すると、高温にも耐えられる高強度のアルミニウム合金が作れます。
 

耐食性があること

アルミニウム合金は、空気中の酸素と反応して表面に薄い酸化皮膜を形成します。
この皮膜は、さらなる酸化を防ぎ、錆びや腐食を防止することが可能です。
 

導電性があること

アルミニウム合金は、銀や銅に次いで導電性が高い金属です。
そのため、電線や電子部品など、幅広い用途に対応することができます。

アルミニウム合金の欠点

アルミニウム合金のデメリットと言える特徴は、以下のようにまとめられます。
 

強度が低い

先ほどアルミニウム合金のメリットとして強度が高いことに触れました。
しかし、とはいえ鉄や銅などの他の金属に比べると強度は低く、高温や衝撃にも弱いです。
 

熱伝導率が高い

アルミニウム合金は、熱伝導率が高く、熱を素早く放散します。
これは、冷却効果が高いというメリットにもなりますが、逆に熱を保持する必要がある場合にはデメリットになります。
例えば、調理器具や電気製品などでの使用には注意が必要です。
 

膨張率が大きい

アルミニウム合金は、温度変化によって膨張率が大きく変化します。
これは、他の材料との接合や寸法精度に影響を与える可能性があります。
特に、低温環境での使用には注意が必要です。

アルミニウム合金の種類

アルミニウム合金は、添加される元素の種類や比率によって、さまざまな系統に分類されます。
一般的には、アルファベットのA+4桁の数字で表される、国際アルミニウム合金名が用いられます。
ちなみに、最初の1桁が合金系統を示し、残りの3桁が特定の合金を示します。

アルミニウム合金の種類は以下の通りです。

A1000系

純アルミニウム系。
アルミニウム含有率が99%以上で、加工性、耐食性、導電性に優れるが、強度が低い。
電気器具や化学工業タンクなどに用いられる。

A2000系

Al-Cu系。
銅を添加した合金で、熱処理によって高い強度を得られる。
航空機部品に使用されるジュラルミンや超ジュラルミンがこの系統に属する。
耐食性や溶接性は劣る。

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A3000系

Al-Mn系。
マンガンを添加した合金で、純アルミニウムよりも強度が高い。
耐食性も良好で、建築材料や容器などに広く使用される。

A4000系

Al-Si系。
ケイ素を添加した合金で、熱膨張率が低く、耐摩耗性や耐熱性に優れる。
鍛造ピストンや溶接溶加材などに使用される。

A5000系

Al-Mg系。
マグネシウムを添加した合金で、強度と耐食性が高い。
溶接性も良好で、船舶や車両などの構造材料として使用される。

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A6000系

Al-Mg-Si系。
マグネシウムとケイ素を添加した合金で、強度と耐食性に優れる。
押出加工が容易で複雑な形状の形材が作れる。
建築用サッシやドアなどに使用される。

A7000系

Al-Zn-Mg系。
亜鉛とマグネシウムを添加した合金で、熱処理によって最高レベルの強度を誇る。
超々ジュラルミンや高強度溶接材料として使用される。
経年損傷に注意が必要。

A8000系

その他の合金。
リチウムや鉄などを添加した合金で、低密度・高剛性や圧延加工性などの特徴を持つ。

アルミニウム合金の用途

先ほど触れたように、アルミニウム合金は、欠点もあるものの、多くの利点があります。
そのため、幅広い用途で使用されています。

具体的には、A1000系の場合、導電性に優れることから普段の生活の中でも身近な、電気器具などがあげられます。
また、ジュラルミンや超ジュラルミンなどが属するA2000系の用途としては、航空機部品をはじめに、ねじ・ギヤ部品などがあげられます。
またA3000系は、容器をはじめに、耐食性が良好であることから屋根材といった建築材料などに使用されています。
熱膨張率が低いA4000系は、鍛造ピストンなどの摺動部品があげられます。
A5000系は、マグネシウムの比率によって強度や耐食性、溶接性が変わり、多いものは船舶や車両などの構造材料に、少ないものは装飾品などに使用されています。
A6000系は、強度と耐食性に優れ、経年損傷に強いため、A5000同様船舶や車両などの構造部品に、また建築用サッシやドアなどにも使用されています。
アルミニウム合金の中で最高レベルの強度を誇るA7000は、航空機部品やスポーツ用品などがあげられます。

まとめ

以上、この記事ではアルミニウム合金について解説してきました。
アルミニウム合金の特徴や種類について、ご理解いただけたのではないでしょうか。
用途に応じて最適なアルミニウム合金を選ぶ際、参考になれば幸いです。

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