アルミパイプの曲げ加工の方法と注意点を解説

  • 投稿日:2024年4月3日(水曜日)
アルミパイプの曲げ加工の方法と注意点を解説

日用品はもちろん、工業製品や建築資材と、幅広く使用されているアルミパイプですが、代表的な加工方法に曲げがあげられます。
もともとアルミは柔らかく延びやすいため、アルミパイプの曲げ加工も行いやすいですが、これにはいくつか注意点があります。
この記事では、そんなアルミパイプの曲げ加工について解説します。

アルミパイプの曲げ加工で知っておくべき3つのポイント

アルミパイプの曲げ加工は、以下の3つのポイントを踏まえて行うことが大切です。

圧縮応力・引張応力・最小曲げR

  • 圧縮応力
  • 引張応力
  • 最小曲げR

アルミパイプの曲げ加工を行う際、内側にかかる力を圧縮応力と言い、外側にかかる力を引張応力と言います。
これらは角度、いわゆる内側曲げRによって変わり、場合によってしわや割れなどが発生する原因になります。
なお、そのような問題が発生しないための、最小の内側曲げRのことを、最小曲げRと言います。

アルミパイプの曲げ加工の種類と方法

アルミパイプの曲げ加工は、従来は熱してゲージに合わせて曲げる手曲げと呼ばれる方法がありましたが、現在はベンダーといった加工機を使用して曲げる機械曲げと呼ばれる方法が主流です。
なお、NC制御の加工機を使用することで、連続して複数の曲げ加工を行うこともできます。
具体的な方法は、大きく以下の4種類です。

  • 押し曲げ
  • 圧縮曲げ
  • 回転引き曲げ
  • 3次元曲げ

押し曲げ

押し曲げ

アルミパイプの曲げたい部分の両端を固定して、曲げ型を押し当てて曲げる方法です。
単純な方法ですが、曲げ型の中央に力が加わりやすいため、しわが発生しやすいです。

圧縮曲げ

圧縮曲げ

アルミパイプを曲げ型、締付型、圧力型の3つの型を使用して曲げる方法です。
押し曲げほどではありませんが、しわが発生することがあります。

回転引き曲げ

回転引き曲げ

圧縮曲げに似ていますが、曲げ型が回転します。
アルミパイプを引き延ばしながら曲げる方法です。
曲げ型、締付型、圧力型に加え、アルミパイプの内径に合わせて潰れないようにする心金も使用します。
応用範囲が広く、精密に曲げることが可能です。

3次元曲げ

固定した型と可動する型を組み合わせて、X-Y-Z方向にアルミパイプを曲げる方法です。
2次元曲げとは異なり、空間的また立体的に曲げることができ、自由度が高いことが特徴になります。

形状によって呼び方はさまざま

アルミパイプの曲げ加工の方法の種類はいくつかありますが、形状によっても呼び方はさまざまです。
例えば、90°に曲げるL型曲げや95°~175°程度に曲げるレ型曲げ、他にも180°に曲げるU型曲げやコの字形状に曲げるコ型曲げ、さらにはZ字形状に曲げるZ型曲げがあります。

アルミパイプの曲げ加工を行う際の注意点

アルミは柔らかく延びやすいことから、パイプの曲げ加工も行いやすいです。
しかし、以下のような注意点があります。

  • スプリングバックに気をつける
  • しわや割れに気をつける

スプリングバックに気をつける

もともとアルミは、ヤング率が低い特徴を持ちます。
ヤング率とは、簡単に言うと弾性、つまり力を加えた際、もとに戻ろうとする力のことです。

このことから、アルミパイプの曲げ加工を行う際は、スプリングバックに注意が必要になります。
目的の角度に曲げてももとに戻ってしまうため、これを考慮したうえで加える力を決定するなどの対策が必要です。

なお、このことから他の金属と比較して、アルミパイプの曲げ加工は難しいとされています。

しわや割れに気をつける

アルミパイプの曲げ加工においては、しわや割れにも注意が必要です。

先ほど触れましたが、曲げる際には圧縮応力と引張応力が働きます。
これにより、アルミパイプの内側でしわが、外側で割れが発生する恐れがあります。

これを回避するために大切になるのが、最小曲げRです。
なお、最小曲げRはアルミパイプの種類や厚みによっても変わるため、総合的に判断したうえで、考慮することが大切となります。

まとめ|部品製作のことならJig Match

この記事では、アルミパイプの曲げ加工について解説してきました。
アルミパイプの曲げ加工を行ううえでは、正しい知識と技術が必要で、一般的に難しいです。
加工を依頼する際はもちろん、加工の仕事を受注する際も、それらをしっかりと押さえておくことが大切となります。

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