アルミ板加工の種類ごとの方法と個人やDIYで行うときの注意点

  • 投稿日:2024年2月26日(月曜日)
アルミ板加工の種類ごとの方法と個人やDIYで行うときの注意点

アルミ板は加工性が高く、工業や建築、家具やインテリアなど、さまざまな用途として使われています。
また、個人やDIYでアルミ板を加工する方も多いです。
そこでこの記事では、そんなアルミ板について、種類や特徴、加工の種類や方法、加工を行う際の注意点などを解説します。

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アルミ板の特徴と種類

アルミ板は、名前の通りアルミニウムを圧延して板状にしたものです。
そんなアルミニウムは、鉄や銅などの金属に比べて、以下のような特徴を持っています。

アルミニウムの特徴
軽量 アルミニウムは密度が低く、重量が軽いです。
1立方メートルあたりの重量は約2.7キログラムで、鉄の約3分の1、銅の約4分の1です。
耐食性 アルミニウムは表面に酸化皮膜を形成し、空気や水に対して錆びにくいです。
塩水や酸性雨にも強いです。
加工性 アルミニウムは柔らかくて延性が高いので、切断や曲げ、穴あけなどの加工がしやすいです。
また、溶接や接着、塗装などの表面処理も可能です。
導電性 アルミニウムは電気をよく通す性質があります。
銅の約6割の導電率を持ちます。
電線や電子部品などに使われます。
反射性 アルミニウムは光や熱をよく反射する性質があります。
太陽光や赤外線を反射して、温度上昇を抑える効果があります。
屋根や壁などに使われます。

また、アルミ板は以下のように種類が分けられます。

アルミ板の種類
純アルミ板 アルミニウムの純度が99.0%以上のアルミ板です。
軽くて柔らかく加工しやすいですが、強度や硬度は低いです。
A1000番台が該当します。
合金アルミ板 アルミニウムに他の金属を添加して、特性を改良したアルミ板です。
銅やマグネシウム、亜鉛などを添加することで、強度や硬度、耐熱性などが向上します。
A2000番台からA7000番台までが該当します。
複合アルミ板 アルミ板の表面に他の金属や樹脂などを貼り合わせたアルミ板です。
耐食性や耐摩耗性、耐候性などが向上します。
A8000番台が該当します。

アルミ板加工の3つの種類と方法

アルミ板の加工には、大きく分けて以下の3つの種類があります。

  • 切断加工
  • 曲げ加工
  • 穴あけ加工

アルミ板の切断加工

アルミ板の切断加工には、シャーリングやレーザーなどの方法があります。

アルミ板の切断加工
シャーリング シャーリングと呼ばれる機械でアルミ板を切る方法です。
シャーリングは、上下に動く刃と固定された刃で、アルミ板を挟んで切る機械です。
直線的な切断に向いています。
レーザー レーザー光でアルミ板を切る方法です。
高温でアルミ板を溶かし、高圧のガスで吹き飛ばします。
複雑な形や細かい部分の切断に向いています。

なお、アルミ板は軽く柔らかいことから、比較的簡単に切ることができます。
個人やDIYでアルミ板を切る際には、プラスチックカッターやディスクグラインダーなどでも行うことが可能です。

▼アルミの切断加工についての記事
アルミ板の切断方法と使用機械や工具|個人やDIYで行うには?

アルミ板の曲げ加工

アルミ板の曲げ加工には、ロール曲げ加工やベンダー曲げ加工といった方法があります。

アルミ板の曲げ加工
ロール曲げ加工 複数のロールの間にアルミ板を巻き込んで曲げる方法です。
使うロールによって曲げる部分の直径を変えたり、またテーパー形状にしたりすることもできます。
ベンダー曲げ加工(プレス曲げ加工) 金型とパンチの間にアルミ板を挟んで曲げる方法です。
使う金型や挟む際の圧力によって、V曲げやL曲げ、U曲げやZ曲げ、R曲げやO曲げ、ヘミング曲げや押さえ巻き曲げなど、さまざまな形状にすることができます。

▼アルミの曲げ加工についての記事
アルミの曲げ加工の方法と注意点|アルミの特徴についても解説

アルミ板の穴あけ加工

アルミ板の穴あけ加工には、旋盤やボール盤などの工作機械を使った方法があります。

旋盤やボール盤にドリルやリーマなどの工具を取り付けて、アルミ板に穴あけ加工を行います。
ドリルを使うことで、貫通させる通し穴や途中でやめる止まり穴を作ることが、リーマを使うことでドリルであけた穴の内側をより高精度に仕上げることができます。
また、あけた穴にらせん形状の切れ刃が付いたタップと呼ばれる工具を回転させながら入れることで、ねじ山を作ることもできます。

なお、個人やDIYでアルミ板に穴をあける際には、電動ドリルを使うことでも行えます。
ポンチを使い穴をあける場所に目印を付け、電動ドリルで穴をあけるといった方法です。
ちなみに、電動ドリルはホームセンターによっては貸し出しを行っているところもあります。

▼アルミの穴あけ加工についての記事
アルミ板の穴あけ加工の方法と注意点|ネジ穴やリーマ加工などについても解説

アルミ板加工を行うときの注意点

アルミ板の加工を行うときには、以下のような注意点があります。

アルミ板の種類を確認する

アルミ板は、大きく純アルミ板と合金アルミ板、そして複合アルミ板に種類が分けられます。
一般的に製品に使われるのは合金アルミ板ですが、この中でもさらに種類が分けられ、強度や硬度などの特徴が大きく異なります。
これにより加工方法や難易度が変わるため、まずはアルミ板の種類を確認することが大切です。

バリに気をつける

アルミニウムは延びやすい特徴を持っています。
そのため、切断加工を行う際にはバリが発生しやすいです。
怪我につながるおそれがあるため、注意する必要があります。

スプリングバックに気をつける

アルミ板は柔らかくて延性が高いので、曲げ加工を行いやすいです。
しかし、アルミニウムは弾性が高く、もとの形状に戻ろうとする力が強いです。
そのため、スプリングバックに注意する必要があり、これを考慮した圧力をかけるなどの対策を行うことが大切です。

クラックに気をつける

アルミ板の曲げ加工を行う際には、クラックにも気をつける必要があります。
そもそもアルミニウムは、金属の中では粘り強さを意味する靭性が低い特徴を持ちます。
これにより、曲げ加工を行うためにアルミ板に圧力をかける際、ひび割れであるクラックが発生するおそれがあります。
そのため、Rを大きくするなどの対策を行うことが大切です。

ドリルの回転速度は速める

アルミニウムは融点が低い特徴を持ちます。
つまり溶けやすいため、アルミ板の穴あけ加工を行う際には、ドリルの回転速度を速める必要があります。
ドリルの回転速度が遅いと、溶着しやすくなります。
その他の対策としては、油を使ったりエアブローを使ったりすることがあげられます。

まとめ

この記事では、アルミ板について、また加工について、基本的な内容を解説しました。
個人やDIYでアルミ板の加工を行う方も、ぜひ参考にしてみてください。

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