SUSってなに?ステンレス材料の選定術

目次
はじめに
「SUSってよく聞くけど、違いがわからない」
本記事では代表的な4種類(SUS304, 303, 316, 430)に絞って、違いや選び方をわかりやすく解説します。
SUSってなに?ステンレスの基本
SUSとは「Steel Use Stainless」の略(JIS規格記号)。 “ステンレス鋼”を意味する記号です。
ステンレス鋼の共通特徴として、【耐食性】【光沢】【強度】などがあります。
4大SUS材を徹底比較!それぞれの特徴と違い
ここからは、4つのSUS材の特徴をひとつずつ詳しく見ていきましょう。
SUS304:万能選手。迷ったらコレ!耐食性と加工性のバランスが◎
迷った際の基本材。汎用性が高くバランスの取れた材料。
用途:キッチン、建築部材、医療器具など
注意点:塩素や海水にはやや弱い
SUS303:加工のしやすさNo.1。切削加工性に特化(304より削りやすい)
切削加工に適した材質。被削性を向上させるために硫黄などが添加されている。
用途:ネジ、シャフト、精密部品など
注意点:耐食性は304よりやや劣る
SUS316:耐食性最強クラス。モリブデン入りで耐塩素性・耐薬品性が高い
耐食性が特に求められる環境(海水、化学薬品等)で使用される高耐食鋼。
用途:化学装置、海水周辺、医療機器など
注意点:高価・若干加工しづらい
SUS430:コスパ良し&磁性あり。安価・磁石にくっつく・耐熱性あり
比較的安価で磁性を有するフェライト系ステンレス。内装部品などでの使用に適する。
用途:家電部品、インテリア、屋内装飾など
注意点:耐食性はやや低く、屋外使用には注意
材質 | 主な特徴 | 加工性 (切削) | コスト | 耐食性 | 溶接性 | 磁性 |
---|---|---|---|---|---|---|
SUS304 | バランス取れた 万能型 |
良好 | 標準 | 高 | 非常に良い | なし |
SUS303 | 切削に向く | 非常に良い (切削向き) |
やや高 | 中〜高 (304より劣る) |
やや劣る | なし |
SUS316 | 耐食性が 最も高い |
やや劣る | 高価 | 非常に高い (塩水・薬品に強い) |
良(条件により 注意) |
なし |
SUS430 | コスト重視 磁性あり |
普通 (やや硬め) |
安価 | 中 (屋内使用向き) |
良くない | あり (磁石につく) |
補足:製作依頼時には表面仕上げにも注意
ステンレスの加工をお願いする時は、使い方や仕上がりのイメージに合わせて「表面仕上げ」を指定するとスムーズです。
たとえば、よく使われるものには「No.1」「No.8」「2B」「BA」「#400」「HL」などがあり
それぞれ見た目や特徴が違います。用途に合ったものを選ぶことで、仕上がりもグッと理想に近づきますよ!
迷ったときの選定ポイント4つ
1.使用環境(耐食性はどれくらい必要?)
→ 水回り・屋外・薬品などに触れる? → SUS316など高耐食性材を検討
2. 加工方法(削る?曲げる?溶接する?)
→ 切削加工なら SUS303、溶接性重視なら SUS304
3. コスト(予算とのバランス)
→ 安価でOKなら SUS430(ただし耐食性はやや劣る)
4.検出や固定などにおいて磁性が必要か?
→ 磁石にくっつく必要がある場合 → SUS430(磁性あり)
まとめ
SUS材を選ぶ際は、まず「どこで使うのか」と「どのように加工するのか」を基準にするのが基本です。例えば、水回りや屋外、薬品が関わるような環境では高い耐食性が求められますし、切削や溶接などの加工方法によって適した材質も異なってきます。
また、選定に迷ったときは実際に加工を行う業者に相談するなど、現場での経験に基づいた、カタログスペックだけでは見えてこない知見を取り入れるのもおすすめです。
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