切削加工とは?特徴(メリットとデメリット)・加工種類と方法・加工時の注意点

  • 投稿日:2023年9月15日(金曜日)
切削加工とは?特徴(メリットとデメリット)・加工種類と方法・加工時の注意点

切削加工は読んで字のごとく、金属などの材料を切ったり削ったりする、代表的な機械加工の一種です。
この記事では、そんな切削加工の特徴や種類、注意点などについて紹介します。

切削加工とは

切削加工とは、数ある金属加工の種類の中でも除去加工に分類され、切削工具と呼ばれる刃物で材料を目的に合わせて切ったり削ったりする加工技術です。

工作機械を使い加工するため、機械加工の一種となります。
加工方法は大きく、高速回転させた材料に切削工具を当てて加工する旋削、高速回転させた切削工具を材料に当てて加工する転削という種類にわけられます。
それぞれ代表的な工作機械としては、旋削は旋盤が、転削はフライス盤が、広く知られています。

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切削加工の特徴

切削加工はそのメリットから、ものづくりに欠かせない反面、デメリットもあります。

メリット

 

加工精度が高い

切削加工は、1/1000台といった高い精度での加工が可能です。
NC機械では、プログラミングを行うことでコンピューターで数値を制御するため、高い寸法精度を出すことができます。

ちなみに、同じ除去加工に研削加工も分類されますが、切削加工ではここまで高い精度で加工することはできません。
そのため、高い精度を出す必要がある部分などは、切削加工で全形を加工し、研削加工で仕上げるといったように使い分けられます。
 

さまざまな材質・サイズ・形状に対応可能

切削加工は、自由な加工が可能です。

材質については、金属はもちろん、樹脂や木材まで幅広く対応することができます。
サイズについても、製缶板金では材料の厚みに制限がありますが、切削加工では工作機械次第でさまざまな厚みの材料に対応することができます。

また、形状についても工作機械次第で幅広く対応することが可能です。
5軸加工機のような、いわゆる多軸加工機では、X軸・Y軸・Z軸の直線3軸に加え、B軸・C軸が加わり、これにより多方面からの加工が可能なため、さまざまな形状にも対応できます。
 

多品種少量生産に向いている

切削加工はプレス加工のように金型を必要としません。
そのため、コストと時間を削減することができます。
また、自由な加工が可能ということもあり、多品種少量生産に向いています。

デメリット

 

出た切り屑は無駄になる

切削加工は、材料を切ったり削ったりするため、当然削り屑が出ます。
削り屑の分の材料は無駄になり、余計なコストがかかってしまうおそれがあります。
形状によっては大量に削り屑が出ることもあるため、切削加工を含め、最適な加工方法の見極めが大切です。
 

大量生産に向いていない

切削加工は、ひとつの製品や部品に対して作業を行います。
量が増えれば増えるだけ工数がかかることになるため、コストと時間いずれの面から見ても、大量生産には向いていません。

切削加工の種類

切削加工の加工方法は大きく、旋削加工と転削加工という種類にわけられます。

旋削加工(旋盤加工)

旋削加工は、高速回転させた材料に切削工具を当てて切ったり削ったりする加工方法です。

旋盤を使うため、実際の現場では旋盤加工と呼ばれることが多いです。
また、円筒形状の材料を対象とすることから、丸物加工とも呼ばれます。

具体的な加工方法としてはまず、段差加工や溝入れ加工、テーパー加工やねじ切り加工といった、外径加工があげられます。
また、端面加工も加工方法のひとつです。
これは、端面を平面にしたり、端面に段や溝を入れたりする加工です。
他にも、材料に穴をあけたり、あいた穴を広げたりする内径加工、またねじ切り加工やテーパー加工などもあげられます。

なお、使う工作機械は先ほど触れたように旋盤ですが、手動で操作する汎用旋盤、またコンピュータープログラムによって自動で操作するNC旋盤があります。

転削加工(フライス)

転削加工は、高速回転させた切削工具を材料に当てて切ったり削ったりする加工方法です。

フライス盤を使うため、実際の現場ではフライス加工と呼ばれることが多いです。
なお、転削加工では角物の材料を対象とします。

具体的な加工方法としては、正面フライスを使った平面加工やエンドミルを使った側面加工、溝加工、穴あけ加工などがあげられます。
また、サイドカッターを使ったスリット加工などもあげられます。

なお、使う工作機械は先ほど触れたようにフライス盤ですが、手動で操作する汎用フライス盤、またコンピュータープログラムによって自動で操作するNCフライス盤やマシニングセンタなどがあります。

切削加工における注意点

切削加工で実際に作業を行ううえでは、いくつかの注意点があります。

切削抵抗への対応

切削加工は切削工具で材料を切ったり削ったりしますが、切削工具と材料の間には抵抗が生じます。
この抵抗が大きくなると、切削工具の寿命は短くなり、さらに切削工具の変形などにより高い寸法精度を出すことができなくなってしまいます。
そのため、切削速度や回転数、送り速度や切り込み量などを調整して、適切な切削条件を設定して抵抗を小さくすることが大切となります。

摩擦により生じる熱への対応

切削加工では切削工具と材料の間に抵抗が生じることには触れましたが、これにより熱も生じます。

これも、切削工具の寿命が短くなる原因となります。
加えて、熱による切削工具の変形や溶着、熱膨張により切削工具が材料に食い込んでしまう食い付きといった問題も生じます。
また、材料においても変形や焼けといった問題が生じます。

そのため、先ほど触れた適切な切削条件により抵抗を小さくすることに加えて、適切にクーラントを使うことも大切です。

切り屑への対応

切削加工は削り屑が出ますが、これによりさまざまな問題が生じるおそれがあります。

具体的には、切削工具に切り屑が絡まって材料に傷をつけてしまうなどです。
また、チャックやシャンクなどに噛み込んでしまうと、加えてアラームの頻発やチョコ停といった、生産効率の低下につながってしまうこともあります。

そのため、ここまでで触れてきた適切な切削条件にすること、適切にクーラントを使うことに加え、チップブレーカ付きの切削工具を使うといった対応をすることが大切です。

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