板金の糸面取り・C面取り・R面取り|方法や目的を解説

  • 投稿日:2023年12月22日(金曜日)
板金の糸面取り・C面取り・R面取り|方法や目的を解説

面取りとは、金属製品の角部を鋭利な状態から滑らかな状態にする加工のことです。
この記事ではそんな面取りを、板金に対して行う場合における、種類や加工方法などについて解説します。

面取りとは

面取りは、金属製品の角部を鋭利な状態から滑らかな状態にする加工のことです。
主に安全性の向上、品質の向上、組立性の向上を目的に行われます。

図面には、実際に削り取る量が記載されていたり、大まかにC面取りやR面取り、糸面取りなどと記載されていたりします。
また、加工方法についても、工作機械を使用したり手作業で行ったりとさまざまです。

なお、面取りについては2004年に機械加工部品のエッジ品質の日本産業規格(JIS)が制定されています。
しかし、これは機械加工部品を対象としており、板金には当てはまりません。

板金の面取りは、上記で少し触れましたが、大まかに指定されている場合が多いです。

板金の面取りの4つの種類

板金の面取りは、大きく4種類あります。
図面に記載されている言葉で見ると、以下の通りです。

  • バリなきこと
  • C面取りのこと
  • R面取りのこと
  • 糸面取りのこと

それぞれ簡単に解説します。

バリなきこと

切断などによって発生した角部の鋭利な状態をバリと言いますが、これを削り取ることを意味します。
寸法はもちろん形状も指定がなく、角部の鋭利な状態さえなくなればよいという意味です。

C面取りのこと

角部の鋭利な状態を、45度の角度で面取りをする加工になります。
面取りと言うと、このC面取りを意味する場合が多いです。
C0.5やC1といったように、寸法が入っている場合もあります。
Cに続く数字の単位はmmです。

R面取りのこと

角部の鋭利な状態を、丸める加工になります。
R加工やラウンド加工とも言います。
図面ではR5のように寸法が入っている場合もあり、C面取り同様、Rに続く数字の単位はmmで、円状に面取りを行うことを意味します。

糸面取りこと

バリなきことと似た種類になりますが、それ以上にはバリを削り取ることを強調した種類になります。
もともとバリなきことと記載していたものの、問題があった場合などに使用されます。
よりしっかりと面取りをすることを検討しつつも、手間を避ける妥協策といったイメージです。

面取りの加工方法

面取り加工は、大きく以下の4つの方法で行われます。

  • フライス加工
  • 旋削加工(旋盤加工)
  • ドリル加工
  • 手作業による加工

フライス加工

フライス盤で行う面取り加工です。
ワークをテーブルに固定して、歯が斜めになっているC面取りカッターや、歯が丸く凹んだR面取りカッターなどの工具で、フライス加工によって面取りを行います。

旋削加工(旋盤加工)

旋盤で行う面取り加工です。
旋盤なので円柱状のワークを対象に、端や穴の周囲、溝を面取りする際に使用されます。
工具は、C面取りなら斜め45度の片歯バイト、R面取りなら倣いバイトまた総型バイトを使用します。

ドリル加工

穴の周囲の面取りを行うのが、ドリル加工です。
角度90度の面取りカッターを使用するのが一般的で、穴の径よりも大きな径のドリルを使用して行います。

手作業による加工

ヤスリやサンダーなどを使用して、人の手で面取り加工を行う方法です。
手作業であることから、高い精度は求められません。
そのため、高い精度が求められない、糸面取りなどで行われます。

面取りをする目的

面取りを行う目的については、大きく以下の3つであることはすでに触れました。

  • 安全性の向上
  • 品質の向上
  • 組立性の向上

ここでは最後に、改めてそんな面取りの目的について、もう少し詳しく解説します。

安全性の向上

バリが発生している部分に触れると、けがをする危険性があります。
完成した製品を手に取るエンドユーザーはもちろん、現場の作業者にとっても危険性があります。
そこで、面取りを行うことでこの危険性を取り除くことが可能です。
加えて、手触りをよくする効果も期待でき、特に子供が触る製品などの場合、面取りの必要性は高くなります。

品質の向上

完成した製品が工作機械などに使用される場合、バリが発生したままでは動作に悪影響を及ぼす恐れがあります。
また、最悪の場合、工作機械の故障につながる恐れもあります。
面取り加工を行っておくことは、品質を向上させ、上記のようなトラブルを避ける効果もあります。

組立性の向上

完成した製品を使用して、その後組み立てを行う場合、スムーズにさせる目的で面取り加工を行うこともあります。
例えば、穴に棒を通す場合を想定してみると、そのままでは少しでもずれが発生するとうまく組み立てられません。

穴を通すときの組立性が悪い状態

しかし、面取り加工をしておくことで、その部分がガイドになり、スムーズに組み立てられるのです。

穴を通すときの組立性が良い状態

まとめ

この記事では、面取りの基本的な情報から、板金に対して行う場合における種類や加工方法などについて解説してきました。
しかし、面取りを行うと当然工程が増えるため、コストもかかってきます。
そのため、根本的なことになりますが、そもそも必要か不要かをしっかりと検討することが重要です。

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なお、板金加工については以下の記事で詳しく解説しています。
あわせてチェックしてみてください。

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