バフ研磨とは?効果や種類・注意点を解説

  • 投稿日:2024年5月15日(水曜日)
バフ研磨とは?効果や種類・注意点を解説

バフ研磨とは、主にステンレスをはじめとする金属を対象に、表面の光沢を向上させたりバリを除去したりする加工方法を指します。
この記事では、そんなバフ研磨の概要や具体的な効果、また注意点などについて解説します。

バフ研磨とは

バフ研磨は、主に鉄やステンレス、アルミなどの金属を対象に、旋盤やマシニングなどによる加工後、表面の凹凸をなくしてきれいにする加工方法です。
以降でも解説しますが、光沢の向上やバリの除去などの効果があります。

なお、由来は英語のbuffで、これは磨いて輝かせることを意味します。

バフ研磨は、バフ機械と呼ばれる機械に、バフと呼ばれる円盤形状の工具を取り付けて行われます。
バフは布などから作られていて、これに研磨剤を付けて高速回転させ、材料に押し付けることで研磨します。

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バフ研磨の効果

バフ研磨を行うことで、以下のような効果を得ることができます。
 

  • 光沢の向上
  • バリ・傷・汚れの除去
  • 平滑度の向上
  • 乱反射の抑制
  • さまざまな材料に対応

光沢の向上

後述でも解説しますが、バフ研磨には○番といった番手の種類があります。
この○には数字が入りますが、大きくなるとグレードが高くなることを意味し、800番であれば鏡面加工も可能です。
そのため、美観性を高めたり、後にメッキ加工を行う場合にはより仕上がりをきれいにしたりすることができます。

バリ・傷・汚れの除去

バフ研磨を行うことで、材料の表面の凹凸をなくすことができるため、バリや傷を除去することができます。
また、切削時に出た切り屑、溶接ビードや黒皮などの汚れを除去する効果もあります。

平滑度の向上

バフ研磨は、材料の表面の凹凸をなくすことができるため、平滑度を向上させることができます。
そのため、寸法精度を求められる場合に対応でき、またこれにより抵抗や摩擦を減少させる効果も期待できます。

乱反射の抑制

物体に光が当たると反射しますが、その物体の表面が滑らかでない場合、光はさまざまな方向に反射します。
なお、これが例えば車のボディなどで起こった場合、非常に危険です。
バフ研磨では、そんな凹凸をなくすことができるため、上記のような光の乱反射を抑制することもできます。

さまざまな材料に対応

バフ研磨は、主に鉄やステンレス、アルミやチタンといった金属を対象に行われます。
しかし、プラスチックといった樹脂や、ガラスを対象に行うことも可能です。

バフ研磨の種類

バフ研磨には、すでに触れている番手に加え、バフ素材や研磨剤にもいくつか種類があります。

番手

すでに触れていますが、バフ研磨は○番といった番手の種類があります。
○には数字が入り、これは目の粗さを意味します。
数字が大きくなるほど目の粗さは細かくなり、仕上がりがきれいな状態となります。
一般的には400番以上がバフ研磨となり、800番ともなると鏡面加工も可能です。

バフ素材

バフ研磨は、バフと呼ばれる円盤形状の工具を使います。
このバフはさまざまな種類の素材から作られていて、それぞれで特徴が異なります。

布バフ 綿や不織布などで作られた柔らかいバフです。材料に合わせて粗研磨から仕上げ研磨まで幅広く使われます。
麻バフ 主にサイザル麻が使われ、粗研磨に使われることが多いです。また、メッキ前の中研磨に最適です。
ウールバフ 主にツヤ出しの仕上げ研磨に使われます。きめ細かいため、ムラを抑えて均一に研磨することができます。傷を小さくするため、コンパウンドとともに使われます。
スポンジバフ 表面が柔らかく、主に仕上げ研磨に使われます。

研磨剤

バフ研磨は、先ほどのバフに研磨剤を付けて行いますが、これも大きく固形研磨剤と液状研磨剤と、種類があります。
なお、よく使われるのは固形研磨剤です。
 

固形研磨剤

固形研磨剤は名前の通り、固形の研磨剤です。
砥粒が練り込まれた、スティック形状の研磨剤になります。
なお、固形研磨剤の中でも、赤棒や白棒、青棒などと種類があり、それぞれ特徴が異なります。

赤棒 砥粒が粗い研磨剤になります。そのため粗研磨に使われます。酸化ケイ素を主成分とし、トリポリとも呼ばれます。
白棒 主に中研磨から仕上げ研磨に使われます。アルミナを主成分とします。
青棒 酸化クロムを主成分とし、仕上げ研磨に使われます。鏡面加工にも使われます。

バフ研磨の注意点

さまざまな効果のあるバフ研磨ですが、同時に以下のような注意点もあります。
 

  • 仕上がりにばらつきが生じる
  • 研磨剤の付着が残る
  • 量産には不向き

仕上がりにばらつきが生じる

バフ研磨は、手作業で行います。
そのため、作業者の熟練度などによって、仕上がりにばらつきが生じる場合があります。
大きなばらつきが生じることはありませんが、寸法精度など細かい点において均一性が求められる場合は、注意が必要です。

研磨剤の付着が残る

バフ研磨は、材料の表面の凹凸をなくして、光沢を向上させたりバリを除去したりする加工方法です。
しかし、厳密に言うとバフ研磨は、バフや研磨剤によって、材料の表面に細かい傷を付けています。
そのため、後に洗浄は行うものの、傷の隙間に研磨剤の油の付着が残る場合があり、衛生が求められる場合やメッキ加工を行う場合には、注意が必要です。

量産には不向き

先ほど触れたように、バフ研磨は手作業で行います。
自動化が難しいこともあり、量産には不向きです。
ちなみに、これによりコストも高くなる傾向にあります。

まとめ|部品製作のことならJig Match

この記事では、バフ研磨について解説してきました。
この記事で、バフ研磨についての基本的な知識を身に付けて頂ければ幸いです。

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