メッキ加工とは?目的・種類・特徴と処理のやり方や工程を解説
「鍍金が剥げる (めっきがはげる)」などの慣用句でおなじみの「メッキ」ですが、見た目も美しいメッキ加工された製品は、普段の生活でも目にしない日はないでしょう。
そのようなメッキ加工について、この記事では、メッキ加工の目的や種類、特徴、処理のやり方、工程などを網羅的に詳しく解説します。
目次
メッキ加工とは
メッキ加工は、金属やプラスチックなどの非金属素材の表面に、金属性の薄い膜をコーティングする加工のことです。
メッキ加工によって、素材に対して意匠性(装飾性)や防錆性(ぼうせいせい)、機能性を与えることができます。
ちなみに、このことからもわかるようにメッキ加工とは表面処理の一種です。
しかし、表面処理にはメッキ加工の他にも多くの種類が存在します。
詳しくは以下の記事で紹介しているので、ぜひ合わせて参考にしてみてください。
▼表面処理についての記事
表面処理の種類ごとに用途、目的、加工方法、適した材質などを紹介
メッキ加工の目的
メッキ加工には、おもに下記の3つの目的があります。
- 装飾メッキ加工
- 防錆メッキ加工
- 機能メッキ加工
普段、私たちが目にするのは、美しく輝くメタリックな質感の「装飾メッキ加工」や、鉄などを錆びないようにコーティングする「防錆メッキ加工」でしょう。
なお、加えて、おもに工業用途で利用される「機能メッキ加工」もあります。
装飾メッキ加工
素材を美しく装飾する目的で施されるメッキ加工です。
たとえば、アクセサリーやスプーン・フォーク、自動車の外装パーツなど、鏡のように滑らかで、美しい光沢を放つ製品は普段から目にする機会も多いでしょう。
防錆メッキ加工
防錆メッキ加工(ぼうせいめっきかこう)は、錆びやすい金属にメッキを施すことで、錆びにくくする加工方法です。
なお、そんな防錆メッキ加工には下記の2種類があります。
そうすることで、亜鉛メッキが鉄の代わりに溶け、素材の鉄が錆びにくくなります。
機能メッキ加工
機能メッキ加工は、おもに、工業用途で素材に新たな機能を付与するためのメッキ加工です。
下記のような工業用途で機能メッキ加工は施されます。
- 通電性の向上
- 熱伝導性の向上
- 耐摩耗性の向上
- 撥水性の向上
- 光の反射を抑える
- 摺動性の向上(滑りやすくする)
- 離型性の向上(金型から離れやすくするなど)
メッキ加工処理の分類
メッキ加工処理の分類には下記の2種類があります。
- 乾式のメッキ加工処理
- 湿式のメッキ加工処理
乾式のメッキ加工処理方法
乾式のメッキ加工処理は、「真空蒸着メッキ」とも呼ばれます。
真空環境下で金属のイオン化やガス化を行い、素材の表面に金属を蒸着させるメッキ加工の方法です。
乾式のメッキ加工処理の代表例として下記の2つがあります。
湿式のメッキ加工処理方法
湿式のメッキ加工処理方法は、一般的によく利用されるメッキ加工処理です。
コーティング用の金属イオンが溶け込んだ水溶液に、素材を漬けた状態でメッキを施します。
下記の3種の湿式メッキ処理方法を解説します。
- ①電気メッキ
- ②無電解メッキ
- ③溶融メッキ
①電気メッキ
「電気メッキ」は、金属イオンを含んだ電解液中で、素材を陰極として電流を流します。電解液中の金属イオンが陽極から陰極の素材のほうに移動することで、素材表面にメッキが形成されます。
どうしても電気が通りやすい部分とそうでない部分で皮膜にムラができ、均一な厚さのメッキは困難で、電気が通る素材に限定されます。
しかし、早くメッキができるのでコストが抑えられるのがメリットです。
②無電解メッキ
「無電解メッキ」は水溶液に電気は流さず、水溶液中で起こる化学反応で素材に金属の皮膜を施す方法です。
無電解メッキには下記の2つの方法があります。
- 置換メッキ
- 化学還元メッキ
置換メッキ
置換メッキは素材の金属から、溶液中のメッキ用金属イオンに電子が渡されることで、素材の金属が金属イオンになり溶液に溶け、代わりにメッキ用の金属イオンが金属に還元され素材表面に析出し皮膜をつくります。
このように、置換メッキは、素材の金属が、メッキ用の金属よりイオン化しやすい性質(イオン化傾向が大きい性質)を持つ場合に起こる化学反応を利用して行われます。
化学還元メッキ
化学還元メッキは還元作用が強い化学薬品を利用して、溶液中のメッキ用の金属イオンに電子を渡すことで金属へ還元し、素材表面にメッキ用の金属を皮膜する方法です。
化学還元メッキには、下記の2種類があります。
そのため、素材の表面だけではなく、溶液が入った槽の内側や治具など、溶液に漬かっている部分がすべてメッキされてしまいます。
結果として、溶液内のメッキ用の金属イオンの消耗が激しく、厚めのメッキには向きません。
自己触媒型は下記の2段階の過程を経て、厚めのメッキが可能です。
①素材金属の触媒作用で化学薬品の酸化を促し、電子を放出させ、溶液中のメッキ用の金属イオンに電子を供給することで還元し、メッキ用の金属が素材表面に析出します。
②素材表面に析出したメッキ用の金属が、①の工程と同じように化学薬品の酸化を促すことで、さらにメッキ用の金属の皮膜上に析出し、メッキを厚くすることができます。
このように、非触媒型とは異なり、素材や素材に析出したメッキ用の金属自体が触媒となり、素材やメッキ表面にのみメッキを施すことができるので、溶液中のメッキ用の金属イオンの消耗を抑えることができます。
また、析出したメッキ用の金属の触媒作用により、持続的にメッキが促進されるので、厚いメッキを施すことができます。
③溶融メッキ
「溶融メッキ」は「どぶめっき」や「てんぷらめっき」とも呼ばれ、亜鉛や錫、アルミニウムなど、素材より融点が低い金属を熱で溶かし、その中に素材を漬けて皮膜を施す方法です。
メッキの密着性と耐食性に優れ、大きな素材などにもメッキしやすい反面、メッキ用の金属の融点(数百度)以上の加熱が必要なので、熱に弱い素材には向きません。
メッキ加工の種類と特徴
さまざまな金属で素材をコーティングする下記のメッキ加工の9種類と、その特徴を解説します。
- ①ニッケルメッキ
- ②クロムメッキ
- ③クロメート処理
- ④亜鉛メッキ
- ⑤錫(すず)メッキ
- ⑥銅メッキ
- ⑦金メッキ
- ⑧銀メッキ
- ⑨ロジウムメッキ
①ニッケルメッキ
ニッケルメッキは、光沢のある多少黄色がかった銀色で見た目もよく、錆びにくく、耐食性、耐熱性、耐薬品性に優れ、素材表面に密着性の良いメッキができます。
ニッケルメッキには、下記の2種類あります。
- 電気ニッケルメッキ
- 無電解ニッケルメッキ(カニゼンメッキ)
一般的に「ニッケルメッキ」と言うと、「電気ニッケルメッキ」を指すことが多いです。
電気ニッケルメッキ
電気ニッケルメッキは、前述の「電気メッキ」加工の方法と同じで電気を利用してメッキをします。
▼メリット
光沢があり見た目がきれい | 自動車のホイルやドアのノブなど、見た目が重視される部分に利用されます。 |
素材の表面を平滑にする | 素材の表面を平滑にするレベリング作用があり、前工程のバフ研磨処理では滑らかにできないような微細な素材表面の凸凹も滑らかにできます。 そのため、光沢を出しやすいです。 |
高硬度 | ニッケルメッキの硬度は約HV550と高く、熱処理でさらに皮膜の硬度を上げることができます。 |
高耐食性 | 鉄より耐食性が高いです。 |
素材表面への密着性がよい | より剥がれにくいメッキが可能です。 |
熱に弱い素材にもメッキが可能 | メッキ加工の処理温度が低いので、熱に弱い素材や熱で変形しやすい素材などへのメッキが可能です。 |
高伝導性 | メッキ中のニッケルの含有率が高く、伝導性が高いので、電子部品などのメッキにも使われます。 |
▼デメリット
メッキの皮膜の厚さが不均一 | 電流がよく流れる部分は厚く、あまり流れない部分は薄く皮膜されるので、メッキの厚さにムラがでやすいです。 |
素材表面の皮膜にピンホールができやすい | メッキ加工の最中に、皮膜に微細な穴ができることで、その穴に面した素材表面から錆が発生することがあります。 |
無電解ニッケルメッキ(カニゼンメッキ)
無電解ニッケルメッキ(カニゼンメッキ)は、電気を利用せず、前述の「無電解メッキ」加工方法を用いて化学反応でニッケルメッキを行います。
▼メリット
均一な皮膜が形成される | 電気を利用しないので、電気ニッケルメッキとは異なり、ムラが少なく均一な皮膜が形成される。 |
複雑な形の素材にもメッキができる | 電気を利用しないので、電気ニッケルメッキとは異なり、複雑で入り組んだ形状などにもメッキを施せます。 |
寸法精度がよい | ムラが少なく均一に皮膜が形成されるので、精密部品や電子部品などの寸法精度が要求されるシーンでも用いられます。 |
高硬度 | 電気ニッケルメッキより硬度が高く、リンの含有量により硬度を調節できます。 また、硬度が上がることで、耐摩耗性も向上し耐久性も高くなります。 さらに、メッキ後に熱処理を行うとより硬度が向上します。 |
プラスチックなどにもメッキができる | 素材に電気を流す必要がないので、プラスチックなどの不導体にもメッキ加工を施せます。 |
ピンホールが少ない | 無電解ニッケルメッキの断面は層状の構造なので、電気ニッケルメッキよりピンホールが少ないです。 |
多様な物性を持つ皮膜が可能 | 無電解ニッケルメッキはメッキ中に含まれるリンの含有量やメッキ後の熱処理などによって、異なる皮膜の性質を付与することが可能です。※ |
耐薬品性がよい | 低リンタイプではアルカリ性への耐性が高まり、高リンタイプだと酸性への耐性が高まります。 |
密着性のよいメッキが可能 | 他のメッキ加工が困難な素材に対して、無電解ニッケルメッキは下地メッキとして使用できます。 |
・硬度が高い
・アルカリに耐性がある
・特殊素材への密着性がよい
▼中リンタイプ
・耐食性がある
・素材への密着性がよい
▼高リンタイプ
・高温の熱処理をしても磁性を帯びない
・酸に強い
▼デメリット
メッキ加工に用いる溶液の管理が難しい | 電気ニッケルメッキに比べて、溶液の組成変動が激しく、溶液の管理が困難です。 |
熱に弱い素材へのメッキには向かない | メッキ加工の際の浴温度が約90℃と高温なので、熱に弱い素材へのメッキに向きません。 |
電気ニッケルメッキに比べてコストが高い | 電気ニッケルメッキに比べて、材料費がかさみ、メッキの析出速度が遅いので、結果としてコストが上がります。 |
②クロムメッキ
クロムメッキは前述の「電気メッキ」の加工方法でメッキが施されます。
クロムメッキはメッキの厚さが異なる、装飾クロムメッキと硬質クロムメッキの2種類あります。
見た目や、高級感が要求される蛇口や家電、自動車の外装部品などの部品に使用されます。
反面、耐摩耗性がなく、酸性に弱く、皮膜が均一ではないのがデメリットです。
機械部品や金型などの工業用途、自動車部品などの硬度が要求され摩耗しやすい部品に使用されます。
反面、電流効率と均一電着性が劣ることから、複雑な形状の素材に均一にメッキするのには向きません。
③クロメート処理
クロメート処理は、化成処理に分類され、クロム酸塩溶液中で、素材表面にゲル状の酸化皮膜(水分を含んだ酸化クロム)を形成させます。
素材表面に素材と異なる金属をコーティングするメッキとは少し異なります。
おもに、電気亜鉛メッキ後に、亜鉛メッキの白錆や腐食を予防する目的でクロメート処理が行われます。
クロメート処理でできた酸化皮膜には自己修復作用があります。
そのため、表面の酸化皮膜に傷がついても、酸化皮膜内のクロムイオンが傷跡にしみ出し、自ら修復します。
クロメートには下記の3種類があります。
④亜鉛メッキ
亜鉛メッキは、おもに鉄素材の表面に亜鉛の皮膜を形成させるメッキです。
亜鉛メッキを施すことにより、素材と空気や水分が触れることがなく、鉄素材に対しては、「犠牲防食作用」の効果で、メッキが傷ついても鉄が錆びにくいのが特徴です。
亜鉛メッキには下記の2種類があります。
- 電気亜鉛メッキ
- 溶融亜鉛メッキ(どぶめっき)
電気亜鉛メッキ
電気亜鉛メッキはおもに、鉄素材に対して前述の「電気メッキ」の加工方法を利用して亜鉛をメッキします。
そのままでは白錆が発生しやすいので、電気亜鉛メッキの後にクロメート処理を行い、錆を防ぎます。
▼メリット
密着性が高い | 密着性が高いので衝撃などでも剥がれにくいです。 |
耐食性に優れる | 緻密な皮膜と犠牲防食作用の効果で、長期間にわたって錆にくいです。 |
メッキ加工の処理温度が低い | 熱に弱い素材や、熱で反ったり歪んだりする素材でも精度が出せます。 |
▼デメリット
皮膜の厚みが不均一になりやすい | 前述の「電気メッキ」の性質上、皮膜が不均一になりやすいです。 |
白錆が発生しやすい | 電気亜鉛メッキの後にクロメート処理を施す事で予防できます。 |
溶融亜鉛メッキ(どぶめっき)
溶融亜鉛メッキ(どぶめっき)は、前述の「溶融メッキ」の加工方法を利用して亜鉛コーティングするメッキです。
耐久年数が長いのが特徴です。
▼メリット
耐腐食性に優れる | メッキの表面に薄い酸化皮膜ができるので、空気や水を通しにくいです。 |
耐摩耗性や耐衝撃性に優れる | 鉄素材と亜鉛のメッキの間に合金層ができ、強固に密着するので、耐摩耗性や耐衝撃性が向上します。 |
厚くて均一なメッキを施せる | |
大きなサイズや複雑な形状の素材にもメッキできる | |
犠牲防食作用により傷に強い | 亜鉛メッキにキズがつき、鉄素材が露出しても、鉄よりイオン化傾向が大きい亜鉛メッキが、鉄の代わりに酸化されて溶け出し保護します。 |
▼デメリット
高温下の作業なので危険が伴う | 亜鉛の融点付近まで温度を上げてメッキ加工を行うので危険が伴います。 |
切り抜きや抜き孔が必要 | メッキ槽に漬ける時に、素材内部に空気が残らないように、穴などを開けて対策する必要があります。 |
⑤錫(すず)メッキ
錫メッキは、美しい銀白色で、耐食性に優れ、毒性も低く、有機酸にも強いので食器や缶詰などへのメッキにも利用されます。
また、融点が低く、はんだ付け性に優れているので、電気・電子部品、電線等などのメッキ加工にも利用されています。
ただ、「ウイスカ」という、メッキ表面からヒゲ状の突起が出やすいのがデメリットです。
錫メッキは、前述の「電気メッキ」の加工方法でメッキされます。
メッキ浴の違いにより、下記のように2種類に分類されます
⑥銅メッキ
銅メッキは美しい光沢があり、温かみのある赤褐色のメッキで、前述の「電気メッキ」の加工方法でメッキされます。
銅メッキには、「硫酸銅浴」や「シアン化銅浴」、「ピロリン酸銅浴」など、複数のメッキ浴があるので、素材に合わせて最適なメッキ浴を選定します。
銅メッキは酸素を含んだ水分で容易に腐食されるので、ニッケルメッキやニッケルクロムメッキの下地メッキとして利用されます。
また、伝導性や均一電着性、展延性、電気伝導性などの物理的な性質をいかして工業用途にも利用されます。
▼メリット
クラックが発生しにくい | 銅メッキは展延性に優れるので、温度変化などで素材が伸縮してもクラックが発生しにくいです。 |
研磨がしやすい | 展延性に優れ、研磨しやすいので、装飾用としても利用されます。 |
メッキを厚くできる | 銅メッキは1mm以上の厚いメッキが可能です。 |
抗菌性を有する | 銅メッキは抗菌性があります。 |
▼デメリット
鉄にメッキできないことがある | 銅メッキ加工の方法によっては、鉄にメッキを施せないことがあります。 |
メッキ表面が変色しやすい | 変色しやすいので、下地メッキとして利用されます。 |
酸に弱い | 銅メッキは表面に酸化銅皮膜を形成し、変色を起こしやすいです。 |
⑦金メッキ
純度の高い金メッキは柔らかく(軟質金メッキ)、硬度が必要な場合(硬質金メッキ)は、ニッケルやコバルト、銀など他の金属との合金として利用されます。
金メッキは、「電気メッキや「無電解メッキ」の加工方法でメッキできます。
金メッキは下記のように装飾用や工業用の用途に利用されます。
そのため、長期にわたって色あせない美しさを保ち続け、装飾用のメッキとして利用されます。
⑧銀メッキ
銀メッキは下記のように装飾用や金属素材に機能を付与する工業用の目的で利用されます。
空気中の硫化物に弱く、黒っぽく変色しやすいのがデメリットです。
⑨ロジウムメッキ
ロジウムメッキは、前述の「電気メッキ」の加工方法でメッキされます。
ロジウムメッキは下記のように装飾用や工業用の目的で利用されます。
耐食性が優れており、変色しにくいので、銀製品の変色防止用のメッキとしても利用されます。
メッキ加工処理のやり方を6つの工程に分けて詳しく解説
高品質なメッキ加工を行うには、実際のメッキ加工の前後の工程も重要になります。
無電解ニッケルメッキの工程を例に取り、下記のように6つの工程に分けて詳しく解説します。
なお、①~⑥の各工程の間には水洗の工程が入ります。
- ①脱脂
- ②酸浸漬工程
- ③電解脱脂工程
- ④酸活性工程
- ⑤無電解ニッケルメッキ
- ⑥乾燥
①脱脂
メッキ前の素材には、防錆などの目的で油分によりコーティングされています。
素材の表面を覆う油分が、メッキの密着不良につながるため、脱脂液で除去します。
②酸浸漬工程
酸浸漬工程で、素材を硫酸や塩酸などの酸性溶液に漬けて、金属素材表面のサビやスケール(酸化皮膜)を取り除く事で、メッキの密着性が向上し、メッキがつきやすくなります。
③電解脱脂工程
電解脱脂工程では、アルカリ水溶液に、金属素材を陰極または陽極として漬けて、溶液を電気分解した時に金属素材表面から出るガスの表面撹拌作用などにより油分を除去します。
金属素材表面のピンホールやクラック、微細な凸凹に入り込んだ油分などの汚れも落とせるので、脱脂工程の仕上げに最適です。
④酸活性工程
メッキをつきやすくするために、金属素材を塩酸や硫酸などの酸性溶液に短時間漬けて、表面の酸化膜などを除去する工程です。
⑤無電解ニッケルメッキ
無電解ニッケルメッキ(カニゼンメッキ)は、前述のように、電気を利用せず化学反応を利用してニッケルメッキを行います。
⑥乾燥
メッキ加工の最後の工程でメッキを乾燥させます。
乾燥方法にもいろいろあり、適切な乾燥条件が整わないとシミや変色、変形などが発生することがあります。
まとめ|部品製作のことならJig Match
メッキ加工は、装飾用から工業用まで、普段の生活にも密接に関わり、なくてはならない加工技術です。
また、メッキ加工の種類や特徴、加工方法などは多岐に渡り、全体像が把握しづらいでしょう。
この記事では、そんなメッキ加工についてわかりやすくまとめてきました。
ぜひ参考になれば幸いです。
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